蓄光とは、太陽光や蛍光灯、LED ライトなどの光を蓄えて放出する発光体のこと。
真っ暗な状態でも、電力を必要とせず一定時間発光を続けることから時計の文字盤や計器盤などを夜間に視認するために開発されたのが始まりです。
停電時にも一定時間光り続けることから、最近では非常灯や誘導灯をはじめとする、緊急時の避難誘導の利用も推進されています。

ルナウェアは、400 年の歴史を誇る「有田焼」の伝統技術を応用した新素材。火や水に強く、高い耐久性を誇っています。
一般的な蛍光塗料をはじめとする蓄光顔料は、水を含むと加水分解して光らなくなります。
雨天時だけでなく、空気中の水分も取り込んで劣化するため、使用できる範囲が限られていました。
ルナウェアは蓄光顔料をガラスコーティングすることで水や空気による劣化を防ぎ、半永久的に蓄光し続けます。

一定の条件下で 20 分間蓄光させた後、暗転させた結果、720 分経っても文字が読めるくらい光っていたという試験結果があります。
年月とともに劣化し、発光時間が短くなる従来の蓄光素材とは違い、ルナウェアは半永久的に設置時と同等の光量と持続時間を保つことが可能です。

従来の蓄光製品は水に弱く、空気中の水分に反応して劣化が進むため、一般的に2～3 年で光らなくなってしまいます。
蓄光素材をガラスコーティングしたルナウェアは耐水性、耐火性に加え、耐薬品性、耐久性に優れており、ビルや工場などの施設での避難誘導から、夜間に人が訪れる施設の道路や階段、店舗の看板など、さまざまな用途に活用されています。

災害時、停電で真っ暗になった時、少しの明かりがあるだけでも安心できます。
さらに、光源が避難誘導の案内だった場合、どこへ向かえば出口があるのかが明確なので、パニック状態に陥りにくくなります。
防災対策のひとつとして、ルナウェアを使った非常灯、誘導等を用いることで、想定外の停電でも危険箇所を回避し、安全に避難場所へたどりつくことが可能になります。

蓄光素材は体に悪いというイメージを持っている方がいらっしゃいますが、これは以前に使われていた「自発光物質」が、発光の際に放射線を発することからついたイメージです。
この素材は現在世界中で使用禁止になっており、蓄光素材が人体や環境に影響を及ぼすことはありません。
また、万が一、有害物質が含まれていることが発覚したとしても、ルナウェアは蓄光素材自体をガラスで包み込んでいるため、蓄光素材自体に人体が触れることはありません。

よく、蓄光は反射や蛍光と何が違うのか？という質問を受けますが、最も大きな違いは「光がない状況でも見えるかどうか」です。
まったく明かりがない状態で、電気を使わず案内板を視認できるのは、蓄光のみとなっています。